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クロモジフローラルウォーターの成分について
更新日 2016/7/20(水)

こんにちは。
坂本です。

1か月ほど前にクロモジのフローラルウォーターについてブログを記載させていただきました。

 

クロモジのフローラルウォーターに要注目
http://aroma-select.jp/blog/1035

 

 

 

こちらのブログでは、フローラルウォーターが1年以上にわたって細菌が発生しなかった理由について考察してみました。

しかし、この1か月、どこか心の中でモヤモヤしたものが続いていました。
そのモヤモヤが何なのだろうか、と思っていたところ、その原因がやっとわかりました。

それは、まだ書き足りなかったこと。

リナロールや1,8-シネオールについて詳しく書いたつもりだったのですが、お伝えし忘れたことがあったのです。

 

クロモジには多くの精油成分が含まれている一方で、フローラルウォーターは何故リナロールと1,8-シネオールばかりが検出されるのか、ということを考察していませんでした。

 

※もう一つ、不明成分もフローラルウォーターから検出されていますが、不明成分なので、こちらは今回は割愛です。

 

 

1. おさらい ~クロモジ精油の成分~

クロモジ精油(エッセンシャルオイル)に含まれる成分は有効成分の数(1%以上含有)は23種類。

判明している成分は11種類。不明成分は12種類。

判明しているものは

リナロール

1,8-シネオール

リモネン

α-ピネン

ゲラニオール

カンフェン

テルピネン-4-オール

α-テルピネン

γ-テルピネン

ミルセン

β-ピネン

 

余計なことではありますが、坂本のお気に入りはミルセン。
そのことについて記載したブログは下記です。

 

気になる精油成分ミルセン
http://aroma-select.jp/blog/778

 

フローラルウォーター

フローラルウォーター

 

これらのうち、水に溶けやすいもの(と言っても、溶けやすいか溶けにくいかと言うと全部溶けにくいですが)がフローラルウォーターに溶け込んでいると考えられます。

他にも精油ではない、水溶性(水に溶けやすい性質もの)もフローラルウォーターに入っているかもしれないなとも思いましたが、今回はそういう成分は見つかりませんでした。

 

 

2. 水に溶けやすいってどういうこと?

 

水と精油はお互いに溶けにくい関係にあります。

そもそも水に溶けるってどういうことなのでしょうか?

 

水

 

これが水の分子式ですね。

いわゆるH2Oです。(O:酸素、H:水素)

O(酸素)を挟んでH2つくっついていますが、直線状ではありません(折れ曲がって記載しているのは決して坂本がずぼらな性格で真っすぐ書かなかったわけではありません)。

直線状ではないことは、酸素原子の構造からわりと簡単に説明できるのですが、今回はパスさせてもらいます。

 

さて、この水の分子ですが、ほんのわずかながら電気的に偏りがあります。

 

水の電気の偏り

水の電気の偏り

 

偏っているといっても、よっぽど分子レベルで体験しないと分からないくらいの少しの電気的な偏りですので、ほんのちょっとというのを意味するδ(デルタ)をつけています。

酸素は若干マイナスでδ-、水素は若干プラスでδ+の電気を帯びています。

 

このように電気的に偏っている状態を極性があると言います。

 

極性がある状態で、マイナスとプラスはお互いに引かれあう性質があります(磁石のN極とS極みたいなもんですね)。

 

水分子同士が引かれあう

水分子同士が引かれあう

 

こんな感じです。

つまり、分子の表面上にプラスとマイナスの偏りが現れている場合、分子と分子の間で引っ張り合う力が発生します。

勘の鋭い方はお分かりかと思います。

精油成分の中で、極性のある分子であれば水に溶けるのです。

水に溶けるというのはこのような状態のことなのです。

 

 

3. 精油成分の多くは極性はない

 

精油が水に溶けにくいというのは、つまるところほとんどが、極性がない成分なのです。
クロモジ精油を徹底解剖
http://aroma-select.jp/blog/964

 

こちらのブログにクロモジに含まれることが判明している成分の分子式を全て書いております。

ほぼ、炭素と水素から成り立っています。

炭素と水素のみから成り立っているものを炭化水素と称していますが、炭素と水素のみの構造の場合は、電気的な偏りがほぼ無い状態なのです。

時折、酸素が含まれている成分が見受けられますが、精油成分について言うと、酸素が含まれていて初めて極性がある状態になると言ってよいでしょう。(できれば -OH という状態だと尚よい)

 

とは言え、基本的には酸素のない部分の方が大きいため、例え酸素が含まれているとしても水には極めて溶けにくいと言えます。

 

判明している成分の中で酸素が含まれるのは3つです。

 

リナロール平面図

リナロール

 

1,8-シネオール

1,8-シネオール

 

テルピネン-4-オール

テルピネン-4-オール

 

酸素はたかだか一つ入っている精油成分の中で強いて水に溶ける可能性が高いとすれば、上記の3つであると考えられます。

そんなわけでかろうじてリナロールと1,8-シネオールが検出されたのだと思います。

さらに、リナロールと1,8-シネオールは、水に溶け込むのに十分な含有量があります。

リナロールは50%以上、1,8-シネオールも10%以上の含有量です。

水には溶けることのできる限界ギリギリまで含まれていると考えられます。

 

 

4. 構造上の問題(余談)

 

1,8-シネオールについてはもう一度構造を見てみましょう。

 

 

1,8-シネオール

1,8-シネオール

 

ちょっと、苦しい書き方のような気がしませんか?(化学的でない表現ですみません・・・)

実際に苦しいのです。

 

構造としては、無理くり結合していて、歪んでいると言えます。

ビシクロ環と言って、ワッカ状態になっている部分が2か所あります。

六角形は分かりやすいですよね。

酸素を含む部分も実はワッカになっているのです。

かなり無理くりな構造で歪んでいることもわずかながら極性に影響を与えている可能性があります。

あくまで推測ですが・・・。

 

 

5. まとめ

 

極性が大きければ大きいほど水に溶けやすいと言えます。

極性があっても、その影響が小さければ水に溶けるとしてもほんの少しになってしまいます。

結局のところ、クロモジ精油の成分比率とフローラルウォーターに含まれる成分比率が同じではないので、当然香りも少し異なってくるのです。

面白いですね。

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