アロマセレクト ブログ

α-ピネンとβ-ピネンって、、、
更新日 2016/8/18(木)

こんばんは。

坂本です。

久しく更新してませんでした。すみません。

決して夏バテしていたわけではありません。

精油に囲まれ、健康的な生活を営んでおりました。

遅ればせながらの話題ですが、8月11日は山の日として今年から祝日となりましたね。

8月11日にふと気づいたのですが、これって8月11日に見えません?

 

精油瓶を並べてみました

精油瓶を並べてみました

 

山からの恵みでアロマセレクトの精油ができてますので、私にとっては山の日=精油の日と言っても過言ではありません。

どちらにしても感謝の行きつく先は自然と言う同じものですから。

 

さて、本日の本題です。

これまで、精油(エッセンシャルオイル)成分を様々紹介しました。

その中で、いくつか似たような名前が出てきましたね。

例えばタイトルの通りα-ピネンとβ-ピネンとか。

およそご想像の通り、非常に近い構造をしています。

 

α-ピネン

α-ピネン

 

β-ピネン

β-ピネン

 

見るからに似ていますよね。

どちらも化学式で書くとC10H16です。

C:炭素

H:水素

炭素が10個で水素が16個から成り立っています。

でも異なる物質です。

本日のお話は、化学の中ではかなり基礎的なお話です。中学校か高校で習う範囲のことが中心なので、見聞きしたことあるぞ、という方は多いのではないでしょうか。

 

 

 

異性体

 

例えば、炭素と水素だけから成り立つ成分があったとします。

炭素4つと水素10個からできている物質は化学式でC4H10。

 

ところが、この物質を絵で書いてみると2種類あることが分かります。

 

ブタン

ブタン

 

ブタン

ブタン

 

厳密な命名で区別しておりますが、どちらもブタンです。

どちらも炭素が4つと水素が10個です。

このように、成り立つ原子の数が同じものでも、異なる形のものを異性体と呼びます。

形が異なれば、香りも性質も異なってきます

片方は体に有用な物質でありながら、もう一つは有害な物質になったりもします。

 

 

 

炭素の数が増えるほど、異性体は多くなる

 

すでにお察しの通り、炭素と水素の数が増えれば増えるほど異性体は多くなります

炭素が4つは上記の通り、ブタンと言いますが、炭素が5つになってC5H12はペンタンと言います。

ペンタンを見てみましょう。

 

ペンタン

ペンタン

 

ペンタン

ペンタン

 

ペンタン

ペンタン

 

ペンタンと呼ばれるものは上記のように3つの異なる構造をした物質があります。

ちなみにこちら。

ペンタン

ペンタン

 

こちらは2番目のものと同じものです。ひっくり返すとぴったりと重なります。

 

同じように考えていくと炭素が6個のヘキサン、炭素が7個のヘプタン、炭素が8個のオクタンとなると、また異なる構造の物質が増えていきます。それぞれ何個あるか、考えているのも面白いですよ。

これはもはや科学力や化学力ではなく、パズル力です。

多分、坂本は全部は思いつかないと思います。

 

 

異性体には様々な種類がある

 

構造の異なるものを構造異性体と言います。平面図で書いた時に明らかに異なるのでものすごく分かりやすいですね。

異性体には様々な種類がありますが、今回は分かりやすいものをあと2つ紹介いたします。

 

さて、実際の精油成分は平面構造をしているわけではありません。立体的になっています。

例えば精油成分ではありませんが、炭素1個と水素4個からできているメタンの立体構造がこんな感じです。

 

メタン

メタン

 

立体になってくると、また新たな観点から異性体が出現してしまいます。

このことについては以前にリナロールの解説をした時にお話をしております。

 

精油に含まれる成分 ~リナロールについて~
http://aroma-select.jp/blog/694

 

リナロールは実は2種類あって、平面図で書いたときは同じような形状になるけれども、きちんと立体的に書いてみると2種類ができあがってしまうのです。

でも構造はとっても似ています。鏡に映したような感じなのですが、ぴったりと重なりあうことはありません。

右手と左手は鏡に映ったような関係で、ぴったりと重ね合わせることができないことに例えられます。

手のひらを重ねるのではありませんのであしからず。

右手の形に石膏を固めた中に、左手を形通りに入れることができない、といった感じです。

 

鏡に映ったような異性体を鏡像異性体と言います。平面図で書いても分かる異性体と異なり、立体異性体という分類になります。立体異性体の分類の一つとして鏡像異性体というものがあります。(この説明でもやや説明をはしょっていますが、ややこしくなってしまうので、どうしても興味のある方は坂本塾まで。まだ開講していませんが)

 

 

 

幾何異性体

 

あと一つ、紹介しておきます。

まず前提条件として、炭素は他の原子とつなぐための手を4本持っています。

水素は1本だけ持っています。

それぞれ1本ずつの手を出し合うことで一つの結合が出来上がります。

メタンの場合は、4本の手全てを水素とくっつくために使っています。

ところが、例えば炭素が2つある場合、炭素同士が1本ずつ手を出し合って結合するだけでなく、2本ずつ手を出し合って強力にくっつくことがあります。二重結合と言います。平面図で書いたα-ピネンやβ-ピネンにも二重線の箇所がありますね。

この二重線の部分が二重結合を表しています。

さらに強固になると、4本のうち3本の手を使ってお互いにくっつくことがあります。三重結合と言います。

精油の成分の中には今のところ確認されてはおりません。

さて、二重結合というのがミソです。二重結合でとある条件を満たしたときに幾何異性体が発生します。

二重結合をもつ物質でものすごく簡単な物質がこちら。

 

エチレン

エチレン

 

エチレンという物質です。ポリエチレンとか、よく身の回りで聞く物質ですよね。そのエチレンです。

 

二重結合というのは非常に強い結合のため、回転することができません。

つまるところエチレンはほぼほぼ平面の構造をしています。

 

エチレン

エチレン

 

真ん中で炭素同士ががっちりと手を握り合っています。

回転できないため、それぞれの炭素に別々の元素がくっついていると異性体が発生します。

まだ、よくわかりませんよね。エチレンは炭素2個と水素4個から成り立つ物質ですが、水素2個に変わって塩素(元素記号はCl)に置き換えてみましょう。

化学式で言うとC2H2Cl2となります。

それぞれの炭素に1個ずつ水素と塩素がくっついている物質の場合、次の2つがあります。

 

シス型

シス型

 

トランス型

トランス型

 

塩素が同じ側にあるものをシス型と言います。対角線方向にあるものがトランス型です。

余談:以前にも書いたかもしれませんが、「ほうこう」を変換すると「芳香」とパソコンが学習してしまっていて、方向を表示したい時にしばしば間違えてしまいます・・・。

 

シス型とトランス型は、これもまた重なり合うことはありません。別の物質なのです。

 

なお、坂本はシス型とトランス型については当然知っておりましたが、世間を騒がせているトランス脂肪酸が、このトランスに由来しているとはまったく意識しておらず知らなかったため、社内の竹島くんに驚かれてしまいました。

えっ? 坂本さん、化学を専攻していたのに、そんなことも知らなかったんですか!

 

えぇ、知りませんでしたよ。

 

なお、竹島くんについてはスタッフブログで紹介しておりますのでこちらをご覧ください。

 

アロマセレクトスタッフ紹介(1)竹島雄弥 ~精油の成分分析~
http://aroma-select.jp/blog/732

 

さて、本日、何故こんなお話をしたかと言うと(竹島くんの話題ではなく異性体の話題ですよ)、次回につなげたいためなのです。

精油成分の分析に使用したガスクロの原理などはこれまでに何度かお話しておりますが、何故、全ての成分が分からないのか、予測が難しいのかということを次回にお話したいと思います。

 

追伸>

それにしても、なんだかこういう話をしていると、炭素の二重結合はそれぞれの手で性質が違うことだったり、あれやこれやと話をしてしまいたくなります・・・。精油からはちょっと離れてしまいますが、精油を構成する成分の根本部分でもありますので、気が向いたときにブログでお話するかもしれません。

気になる方は、σ(しぐま)結合とπ(ぱい)結合で検索してみると出てくるかもしれませんよ。

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