アロマセレクト ブログ
こんにちは。坂本です。
工場も寒い日が続いているので、作業をするときはそろそろ薪ストーブも登場したりしています。
とは言え、隙間だらけですし、断熱設備でもないので寒いことに変わりはありません。
そして本日は、坂本的に流行っているタテヤマスギ精油抽出の工場日記です。
タテヤマスギの精油は、はっきり言いまして、クロモジやニオイコブシよりも単位重量あたりの収量は多いです。
資源も無尽蔵とは言いませんが、相当あります。
まだまだ使い切れていません。
普段、漫然と葉を千切って釜に投入しているのですが、釜一つ分の葉を取り出すのに実際はどれくらいの枝を使っているのだろうか、とふと気になりました。

スギの枝
葉だけを切り落としたあとの枝の残りです。す、少ない・・・。
あらためて見てみると、枝がほんの数本分で、釜いっぱいの葉が取れるのですね。
一番太い枝でもせいぜい直径2センチ程度です。
タテヤマスギの木を建材として1本切り出して丸太にしたらいったいどれだけの枝がでてくるのでしょうか。
何百本、何千本単位で切り出しますので、全て処理するとなったらものすごい量になりそうです。
しかも、富山の森林では伐採量よりも生育量の方が上回っているそうです(by森林組合の方)。
良いことばかりではない
香りも良いですし、環境のことを考えるともっともっと使用すれば森林保全にもつながるし、良いことばかりではないか!とも思ってしまいますが、そうは問屋が卸しません。
とは言っても、「良いことばかりではない」のはあくまで生産者視点です。
葉を切り落として粉砕する作業が、なんとも言えないほどに、面倒くさい!
葉と枝を切り離す作業に時間がかかります。さらに葉は柔らかいため、細かくちぎるのに、クロモジやニオイコブシの枝葉を粉砕しているチッパー機(粉砕機)は使用できません。
こちらのチッパーでは粉砕できないため、剪定枝用のシュレッダーを使用しております。
なお、余談ですが、チッパー機は取扱いが危険な面もありますがシュレッダーは安全性が高いです。
工場見学会で枝や葉の粉砕作業を体験する際は、シュレッダーで体験してもらうことも多いです。
とまぁ、こんなことをしていると、クロモジやニオイコブシは釜一杯分を処理するのに5~10分で終わるのに対し、タテヤマスギは前処理に30分~45分ほどかかってしまいます。時間の違いは枝への葉の付き具合です。
原料はたくさんあるが、処理に時間がかかるのがタテヤマスギなのです。
手のかかる子供のようなものです。
まとめると、
クロモジ、ニオイコブシは収量も少ないけれども前処理はしやすい。
タテヤマスギは収量は多いけれど前処理はしにくい。
そんな感じです。
良い香りで収量をあげるためには
これはタテヤマスギに限った話ではありませんが、特にタテヤマスギで抱える課題です。
収量をアップさせるためにはどうしたら良いのか。
主に下記の手段が考えられます。
1.釜の中に入れるスギの量を増やす
2.前処理を短時間で終わらせる
1については、葉をより細かくすればたくさん入ります。一度、葉の1本1本を千切って釜に入れてみたことがあります。
かなり入りますが、前処理に1時間以上かかってしまいます。(そういうわけでシュレッダーで千切っているという状況です)
2については、いくつか試してみました。
まず枝だけで抽出してみたことがあります。当時は枝は精油がとれるのか?どんな香りなんだろう?というのを調べるのが目的でした。
しかし、枝からは精油抽出はほとんどできませんでした。
枝ごとシュレダーで粉砕してしまえば、前処理は各段に早くなります。
しかし実際に精油が抽出できる葉の投入量が少なくなってしまいます。
頭を悩ませた挙句が、現在のやり方なのですが、まだまだ良い方法があれば模索していきたいと思っています。
作業は楽しい
面倒くさい作業と表現しましたが、しかしながら困ったことにこの作業が面白いのです。
より良い方法を探す上で、作業を改善はしていきたいが、今の作業が全て自動化になってしまうと寂しい。
そんな感じなのです。
タテヤマスギの資源量と処理希望量を考えると今後、自動化作業を進めないと抽出しきれなくなることも想定されます。
仕事をする上で目的に向かうことで充実するというのも幸せですが、作業自体が楽しいというのも嬉しいことです。
最後に
もう一度枝の写真を載せてみます。

スギの枝
これって乾燥させると薪ストーブに使えるんですよね。1年か2年くらい置いておくと良いかな。
とは言え、スギは燃えるのが速いようなので、薪として使うときは頻繁に枝を入れないといけません。
薪として使える大きなものでも速く消費されるので、これくらいの細さであれば、すぐに燃えてしまうかもしれません。
でも、たくさん入れて試してみたいです。
細い枝であれば空気の通り道がいっぱいできそうなので、燃やしやすそうではあります。
精油抽出後の粉砕された樹木も使えそうな気がしますので、燃料に回していきたいなと思っております。
本日の記事はまるで「タテヤマスギの精油を作るのって実は大変なんだぞ!」という文面になってしまいました。
可愛いわが子です。瑞々しい香りで夏もおすすめですが、今から始まる冬シーズンもおすすめです。
冬に使えば、暖かみを感じますよ。
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