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【続】水のお話
更新日 2017/2/18(土)

前回のブログで地域による水の性質の違いをさせてもらいました。

 

精油(エッセンシャルオイル)を作る上でもとても重要な水。地域を特徴づける水のお話です。
精油の生みの親・水のお話
https://aroma-select.jp/blog/2351

 

 

水の地域による性質の違いというのは、正確に言うと「水に含まれる成分の違いによる」性質の違いです。

これって科学的には水の性質の違いではないぞ、と思い返してしまいました。

ならば、同じ水と呼ばれる物質でも、物質自体異なる性質という観点でお話しなくてはならない!という意味不明な使命感に駆られてしまいました。

ということで、本日はまさしく水という分子であっても性質の異なる水があるということをお話したいと思います。

 

 

水の分子式

 

これまでにも何度も記載しています。

そして中学生の理科の授業を思い出してみましょう。

(小学生ではさすがに習わないですよね? 現在のカリキュラムを知らないので・・・)

 

水の分子式はH2Oです。

 

 

水

 

 

水

 

こんな感じです。

これがいわゆる最も身近な水です。飲み水であったり空気中の水蒸気だったりはほとんど全てがこのH2Oです。

精油を抽出するときに使っている水もこの水です。

 

 

しかし、水は水でもH2Oではない水もあるのです。

 

 

重い水

 

水は水でも、通常のH2Oよりも重い水が存在します。

その名の通り重水(じゅうすい)と言います。

と言っても水に比べて著しく重いわけではありません。

水を形成する水素と酸素は酸素が圧倒的に重いので、水の重量のほとんどが酸素由来です。

ところで、この水素というのがポイントになってきます。

水素の重量は様々な原子の重量の基準となっています

現在知られている原子の中で、もっとも軽いのが水素なのです。

 

水素の重量を1としたときに、それぞれの原子あるいは分子の重量がいくつかという表現をします。

原子量あるいは分子量と呼びます。

 

とある原子の原子量が10であれば水素原子の10倍の重量ですよ、とある分子の分子量が100であればその分子の重量は水素原子の100倍ですよ、ということです。

 

ところが、世の中にはちょっと重い水素というのが存在します。

 

通常、水素の元素はアルファベットのHで表しますが、ちょっと重い水素はDと表示されます。

構造がちょっとだけ違うのですが、あくまでも水素に分類されます。

通常の水素はHydrogenの頭文字のHですが、ちょっと重い水素のDはDeuterium(ジュートリウム)の頭文字になります。

 

通常の水素原子の2倍の重量になります。

 

原子の重量を決めるのは原子核と呼ばれる部分に含まれる「陽子」と呼ばれる物体の数によります。

電子も原子核の周りを飛び回っていますが、非常に軽いので重量にあまり影響しません。

この重水素というのは、原子核に陽子だけでなく中性子というものも含んでいます。この中性子というのが陽子と同じくらいの重量があるのです。

 

一般的には電子と陽子の数で原子が特徴づけられるので、中性子があったとしても、陽子と電子の数がHと同じなので水素と同じくくりになっているのです。

 

通常はH2OのHのうち一つだけがDに置き換わったものが重水と呼ばれます。

Hが2つともDに置き換わったものはほぼありません。

分子式としてはDHOとなります。

二つとも置き換わったものは少ないとは言いましたがないわけではありません。

D2Oというのも存在することは存在します。

 

詳しくこれらを分けようとすると、

DHOを半重水、D2Oを重水とも呼びます。

 

 

なお、H2Oよりもちょっとだけ重いという性質の他、沸点もH2Oよりもちょっとだけ高めです。

1度強高いくらいなので、ほとんど同じと言えば同じですが・・・。

 

重水は通常の水の中にも本当に本当にほんの少しだけ混ざっています。

ようするに摂取しています。

 

 

ちなみに、重水を濃縮すると体には非常に毒です。まぁ、そこまで濃縮することはないと思います。

濃度の高い重水に出会うことは多分ないかと思われます。

 

 

 

さらに重い水

 

これだけでは終わらないのが、水の凄いところです。

精油を作るために必須の水と言っても本当に奥が深い・・・。

 

Hに比べて2倍の重量のDが存在すると述べましたが、3倍の重量のTというのも存在します。

これも厄介なことに水素にカテゴライズされるのです。

 

トリチウム:Tritiumの頭文字でTです。

 

ちなみに用紙とほぼ同じ重量の中性子がさらにもう一つ含まれています。

前述の通り、電子と陽子の数がHと同じであるため、水素にカテゴライズされてしまうのです。

まったく・・・。

 

ということでこのTを含む水も存在します。

 

日本語では何ていうのでしょうね? 三重水(さんじゅうすい)? あまりそういう名前は聞き覚えがありません。

もしそんな言い方をするならば、漢字だけ見ると、三重県の自然水と混同しそうですね。

通称はトリチウム水と呼ぶことが多いです。

 

やはりH2OのH1つだけ置き換わったものが多いです。

HTOです。

エイチティーオーというとエイチツーオーと混同しそうです。

 

やはり水の中にほんの少量含まれています。

 

 

精油の生みの親である水にも、実は普段見ることのできない色んな顔があるのですね。

 

水と言えば海

水と言えば海

 

 

週明けの精油抽出では、水について考えながら作業をしたいと思います。

いえ、多分しないでしょうね。

 

ちなみに週明けはタテヤマスギの精油抽出をする予定です。

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