アロマセレクト ブログ
唐突ですが、精油(エッセンシャルオイル)を構成する物質は有機物と言われる物質群に分類されます。
これまでのブログでも、有機物とは何かということを簡単に説明したこともあります。
例えば2017年の坂本による最初のブログ。
地球と精油。その元素について
https://aroma-select.jp/blog/2277
様々な定義がありますが、簡単に言うと、炭素が主要物質として骨格を作る成分としておきましょう。
リナロールしかり、1,8-シネオールしかり、精油の場合は、炭素と水素、時折、酸素も含まれています。
今のところ検出している精油成分はすべて炭素と水素、酸素のみでできていますが、実際に有機物に分類されるものとしては、
窒素であったり、硫黄、あるいは金属が含まれることもあります。
炭素の骨格の組合せ、規模など、有機物の種類は無限にあると言えます。
そして有機物に分類される物質は、様々な有用性があります。
アロマセレクトでも、精油から派生して様々な商品を今後企画していきたいな、と思っていますが、精油に限らず、有機物がどのように世の中に出回っているかを知ることは基本知識として知っておくと後々に良いことがあるかもしれません。
有機物に関して紹介していくとキリがありませんので、本日は坂本的に「こんなところに使われてるよ」というのをいくつかピックアップしてみたいと思います。
本日はこちら。
ディスプレイ
ディスプレイは十数年前まではブラウン管が主流でした。
今は液晶ディスプレイが主流になっていますが、次世代ディスプレイとして有機ELという言葉を聞いたことはありませんか?
巷でもすでに良く聞かれる言葉です。特に家電やパソコン、スマホ好きの方は耳にしているかもしれませんね。
有機ELは有機Electro Luminescence(エレクトロ ルミネッセンス)の略称です。横文字部分を日本語に直すと有機電界発光といったところでしょうか。
簡単に説明しますと、とある有機物に電圧をかけると光を放出するので、テレビやスマホの画面、パソコンのディスプレイに応用しようというものです。
ディスプレイは、ブラウン管から液晶に変わり、軽量で薄くなったことで、ノートパソコンが大きく普及しました。
テレビも場所を取らなくなりました。
現在の液晶で十分だろう、と言いたくなりますが、有機ELになるとさらに薄くすることができます。
液晶の場合は液晶に分類される物質自身が光るわけではありません。あの薄いディスプレイの中にバックライトが仕込まれているのです。
ところが有機ELになると、電気を流すことで有機EL自体が発光しますのでバックライトが不要になります。
その分薄くすることができます。
実物を確認したことがないため、聞いた話のレベルではありますが、例えば折りたたんだりポスターのように丸く巻いたりできるほどの薄さです。
テレビとして使うならばディスプレイ部分はポスターを壁にかけるような感じになるでしょうか。
また、有機EL自身が発光することで、色が鮮明になります。
他にも液晶に比べて反応時間が速いという特徴もありましたが、今では液晶もかなり早くなりました。
10年強前の液晶を思い浮かべられる年代の皆さま、思い出してみてください。
液晶画面でちょっと残像感があったのを覚えていませんか?
有機ELは残像を感じない、と言われています。
じゃ、とっとと製品化すれば良いのでは?とも思っちゃいますよね。
メリットばかりではなく、クリアすべき技術課題が当時いくつかありましたので、製品化に時間がかかったのです。
特に当時、課題として話題になっていたのは、
・寿命が短い
・大型化に向いていない
といった点が私が20代の頃(20年ほど前???)の大きな課題だったことを覚えています。
ちなみに科学の世界で寿命って何かと言うと、明るさが半分になるまでの時間です。
製品として考えると、実際は明るさが半分になるまでは使えないですよね。
しかしながら、2017年現在では、すでに製品化されています。
ソニーのブラビア
http://www.sony.jp/bravia/products/KJ-A1/
なんと77型テレビが販売されています。
とは言え、77型で厚みは9.9cmあります。ペラペラとは言えない厚みですね。
他にもスマホも有機ELディスプレイのものが多くなってきました。
Galaxy Feel
http://www.galaxymobile.jp/galaxy-feel/
次に買い替えるときは有機ELディスプレイのものにしてみようかな。
有機ELの隙間に精油成分を取り込んで香りのするディスプレイは作れないですかね?
さて、そんな有機ELとして研究されている、あるいは使われる有機物にはどんなものがあるのでしょうか。
時代とともに強化されています。例えば
【1990年前~】
真ん中にあるAlはアルミニウムです。
【2000年頃~】
真ん中にあるのはイリジウムという金属です。
【2010年代~】
さっきまで真ん中にあった金属が無くなりました。
これらを作りだすのには苦労をしたことでしょう。
リナロールやリモネン
さて、精油に戻ってみます。
クロモジ精油に含まれる成分でリナロール、ニオイコブシ精油やタテヤマスギ精油に含まれるリモネン、これらはどんな構造だったでしょうか。
これまでのブログでも何度か紹介させてもらっていますが、改めて紹介します。
どちらも炭素で主要骨格が作られています。
大きさは違いますが、どことなく炭素による六角形があったり、二重線があったりで似ていると思いませんか?
精油に関する技術開発
有機ELは技術進化により、様々な課題を克服してきました。
精油についても技術開発は重要だと考えています。
例えば、ヨモギは精油の収量が多くはありません。
新しい技術を使えば、より多くの精油を抽出できるかもしれません。
また、クロモジを初めとする様々な精油で20種類以上の成分が含まれていることがわかりますが、ひょっとしたら取り逃している成分もあるかもしれません。
精油は天然由来であるため、植生によっても香りは変わってきますが、技術開発によって、より多くの成分を抽出できるとしたら、精油の香りも変わってくるかもしれません。
様々な植物で試行錯誤することと同時に技術面での進展も目指していきたいところです。
ただし、天然由来100%にはこだわって進めていきたいです。
次回は身の回りの有機物である「ペットボトル」ついて紹介してみたいと思います。
PS. ペットボトルはアロマ工場見学会に参加される方に持参いただくものの一つです。
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