アロマセレクト ブログ
こんにちは。
坂本です。
大変ご無沙汰なブログとなってしまいました。
毎回毎回岩瀬譲がブログを書いているのを脇目に、樹木と共に生活を送っておりました。
本日は、久しぶりに科学ネタを発信させていただきたいと思います。
さてさて、精油の成分について過去に様々お伝えさせていただきましたが、その多くが二重結合というのを持っています。
二重結合って何でしたっけ?
久しぶりで忘れてしまった方へ、こちらです。
例えば、クロモジ精油に含まれる主要成分リナロールは炭素と水素と酸素で出来ています。
赤枠で囲ったところが二重結合というモノです。
炭素や酸素、水素がお互いにくっつきあって、ひとつの分子を作り出しているわけですが、一般的に多く見られるのは1本線で結ばれている単結合と言われる結合です。
そもそもの元素というのは種類によって持っている手の数が異なります。
炭素の場合は手を4本持っています。
結合というのは各元素が手と手を取り合って初めて成立しているのです。
リナロールをもう少し詳しく書いてみるとこんな感じですね。
リナロールを構成する炭素10個と水素16個、そして酸素1個を全て書いてみました。(C:炭素、H:水素、O:酸素)
炭素は手を4本、酸素は2本、水素は手を1本持っています。
1本ずつの手を出し合って手をつなぐと「結合」が出来上がります。
最近は、アロマの資格をお持ちの方も非常に多く、二重結合なんて知ってるよ、という方が非常に多いですね。
アロマの各種試験に二重結合が出てくるようです。
中学生か高校の理科の授業で習ったときはアレルギー反応を示している人も多かったかと思いますが、興味を持った内容で二重結合が出てくると、すぐに覚えられるのです。
(授業では、いかに興味を引くお話しをできるかどうかというのが先生の手腕の見せ所ですよね。実際に各種授業で理解できるかどうかは興味を持てたかどうかが大きく左右していたような気がします・・・)
さて、ここからが本題です。
二重結合はそれぞれ違う手である
炭素同士が手を2本ずつ出し合って、2本の手でくっつくと二重結合ができあがるわけですが、実はこの2本の手、同じ手ではないのです。
結合にもさまざまな種類があって、1本はσ結合(シグマけつごう)、もう1本はπ結合(パイけつごう)と言います。
なお、単結合は全てσ結合です。
これ、名前が違うだけではありません。結合の構造が異なるのです。
σ結合は非常に強い結合で、π結合はちょっと緩めの結合です。
カップルが手をつなぎ合って歩いているのがσ結合で、その時に目を見つめ合うのがπ結合だ!なんて説明をしたりしています。
(カップルって死語ですか?)
つなぎ合っている手(σ結合)はしっかりと結ばれてるのでなかなか切れませんが、見つめ合う視線同士(π結合)は街中にアイスクリーム屋さんやとんかつ屋さんなどちょっとした誘惑ですぐに逸れて(切れて)しまいます。
結合とは電子の共有
電子って聞いたことありますよね。電池とかコンセントにつなげると流れる奴です。
原子は電子を持っています。電子2つをそれぞれの原子が共有した状態が、いわゆる結合と呼ばれます。
単結合だと、こんな感じです。
左右の炭素が持っていた電子1個ずつを共有している状態です。
近くにいる炭素同士で、合計2個の電子を共有することで結合が1個作られる状態になります。
これがσ結合です。
じゃ、二重結合はこんな感じ?
これが微妙に違うのです。隣り合った炭素同士で、どストライクな場所で共有できる電子は2個まで(結合は1個まで)です。
じゃ、二重結合で共有すべき電子4個はどんな形で共有されてるの?
こんな感じです。
こんな感じです。
σ結合は炭素同士を結ぶほぼ直線状に電子が2個ある状態です。
π結合は炭素同士を結ぶ直線状からはズレた場所で電子が2個ある状態です。
なんだか、結合しているんだかしていないんだかよくわからないですよね。
つまりところ、σ結合と比べると結合の強さが弱いのです。
他の物質が近くに寄ってくると、簡単に二重結合のうちのπ結合は切れてしまうことがあります。
高校の時は、二重結合の2本の手は同じ手だと思っていたわけですが、どうやら違うのだということを大学時代に学びました。
もちろん上の図もいくぶんか簡略化しているわけですが、中学校や高校の科学はかなり簡略化されていたのですね。
さてさて、精油からちょっと離れて植物油に話題を振ってみませう。植物油はアロママッサージの時に精油を希釈するのに良く使われます。
オリーブ油だったりホホバ油など、様々あります。
これらには酸化されやすいものとそうでないものがあるということを岩瀬嬢から聞いたことがある人もいるかと思います。
これにも二重結合が関わっているのですが、二重結合のうちのπ結合が切れて酸素がくっつくとか、そういう単純な話でもありません。
こちらについてはまたいずれお話ししたいと思います。
まずは、その前提としての二重結合のお話しでした。
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