こんにちは。アロマセレクトスタッフの森田です。先月の11月23日、毎年砺波市で行われている「秋の剪定枝リサイクル大作戦」の会場へ向かい、一堂に集められた家庭で出た大量の剪定枝のなかから、精油抽出に利用できそうな樹木をトラック荷台いっぱいにいただいてきました。---剪定枝リサイクル大作戦とは?砺波市内の各家庭の屋敷林(砺波地方ではカイニョと呼ばれています)で出る剪定枝(せんていし)を無料で回収する同市の取り組み。家庭で出た剪定枝は、かつては各家庭で燃やされることが多かったのですが、現在は安全性の観点から燃やすこと自体が禁止されているため、同市では毎年春と秋の週末2日間でこのような取り組みが行われています。富山の中でも特に砺波市は屋敷林が多いです(参照:砺波市HP)この日は、雨にも関わらずたくさんの軽トラが荷台いっぱいに剪定枝を載せて行列をつくっていました。家庭によっては量が多く、2、3度往復される方もいるようです。わたしたちが集積所で剪定枝の収集作業を行っている間も、次から次へと枝が荷下ろしされて、あっという間に大きな山になっていました。(最終的に2日間で延べ2197台の車両が訪れ、約270トンもの枝が集まったそうです・・!)剪定枝がこんもりと。枝葉でできた怪獣のようでした。(参照:砺波市HP)---精油にするにはどんな樹木を入手するの?屋敷林といえばやはり杉や松が圧倒的に多いので、この2種を中心に、この日は柚子や月桂樹(ローリエ)の枝葉なども入手できました!(探せばあるものですね)ただただ目の前にある枝葉を積み込むだけでは、杉・松ばかりになってしまいかねないので、目を光らせて少し珍しい樹木も探します。ここでの作業は枝葉をごっそり運んでひたすらトランクに積み込むという肉体労働でしたが、集められた樹木のなんともいえない癒しの香りのおかげで全く大変さは感じません。(雨が降っていたおかげで樹木の香りが一層感じやすく森林浴気分でした)この写真は積み込みの途中経過。最終的に後ろの窓が全く見えなくなるほどたっぷり積み込みました。さて、荷台にぎゅうぎゅうに剪定枝を詰めたところで、今度は工房に戻って精油の抽出作業です。抽出作業の前に、どんな植物がブレンドされているのかを記録するため、この日採ってきた剪定枝を標本にします。各樹木の枝葉をそれぞれ新聞紙に挟み、重しを乗せて栞のようにします。抽出担当のスタッフが、植物辞典を見ながらそれぞれ何の植物なのかを調べていくのですが、これがなかなか根気のいる作業なのだそう・・・。栞にするまえの枝葉たち---どんな香りが抽出される?通常、精油の抽出は1種類のみで行うのですが、今回のように何種類もの樹木がブレンドされている場合は、どんな香りが出てくるか、その時まで全く想像できません。樹木の種類や比率、季節などによって本当に様々で、それがカイニョ蒸留の醍醐味でもあります。今回は月桂樹や柚子が入っていたので、ほんのり柑橘の香りや月桂樹のさわやかな香りも交じっており、とっても心地よい香りとなりました。1日だけでは蒸留しきれないので数日かけてどんどん抽出していきます。最終的に75kgの剪定枝から300mlちょっとの精油が抽出されました。抽出された精油***グラウンドに集められた剪定枝230トンに対し、アロマセレクトで収集した剪定枝は75kg、そこから精油として抽出されるのはわずか300ml強。文字にするとほんの微量ではありますが、本来は(燃料になるとはいえ)そのまま燃やされてしまう運命のものから自然の循環を生み出すことは、たとえ量はわずかだったとしても、森をまもり、自然とつながる大切な1歩だと思うのです。日々の生活の中でも、不要になったものはそのまま廃棄することが一番楽で簡単ではありますが、少し立ち止まって別の可能性がないかを探ってみると案外廃棄せずとも生まれ変わる余地はたくさんあるように思います。また、そういったことを考えていくと、生活の中に工夫を凝らす時間が生まれ、思った以上に精神的な充実感を得られるというのも副産物的なメリットかもしれませんね。アロマセレクトについて私たちアロマセレクトは、“Made in 富山”にこだわり、地元・富山県の豊かな森の恵みから丁寧に香りを抽出し、精油を生成しています。美しく豊かな自然を守るため、アロマセレクトでは間伐材を使用した精油を抽出。森を守る木こりさんと共に健やかな森を保つための山の管理にも貢献いたします。次世代へ豊かな自然を残していきたい。たとえ小さな一歩でも、できることから取り組んでまいります。