アロマテラピーの楽しみ方として、最もポピュラーな方法は芳香浴です。精油をハンカチやティッシュに数滴(1~2滴)垂らすだけで気軽に楽しむことができます。近年では、アロマディフューザーを使った芳香浴も人気です。多種多様なアロマディフューザーが店頭に並んでおり、誰もが自分に合ったアロマディフューザーを選ぶことができます。しかしながら、アロマディフューザーの選択肢が多すぎることが、どんなアロマディフューザーを選べば良いのかを分かりづらくしている側面もあります。そこで本稿では、精油メーカーである私たちアロマセレクトが、アロマディフューザーの種類と選び方についての解説記事をお届けします。これからアロマテラピーを始めようと考えている方、アロマディフューザー選びに困っている方のお役に立てれば何よりです。※アロマディフューザーの使用の際には必ずしも精油を使う必要はありません。その上で、精油には「香りが穏やかなので生活の邪魔にならない」「残り香になりにくい」などの特徴があり、精油を使用するアロマテラピーには「森林の香り(α-ピネン、β-ピネン等)がストレスを軽減させてくれる」「手軽に森林浴ができる」などのメリットがあります。アロマディフューザーとはアロマディフューザーとは、精油やアロマオイル(精油に香料・キャリアオイル・無水エタノール等が添加されているもの)を空間に拡散して香りを楽しむ「芳香浴法」のための道具です。まさに、アロマ(aroma:芳香)ディフューザー(diffuser:拡散するもの)です。アロマディフューザーは、拡散方法に様々な違いがあり、気化式・噴霧式・加熱式・超音波式の4種類に分類されます。まずは、各種類のアロマディフューザーについて「経済性」「デザイン性」「メンテナンス性」「香りの拡散力」の項目について3段階評価で解説します。気化式のアロマディフューザー自然な形で気化(液体から気体へ変化)させることによって、精油やアロマオイルの香りを拡散するタイプのアロマディフューザーです。火や水の影響によって香りが変化することがなく、精油本来の香りを気軽に楽しむことができます。気化式のアロマディフューザーは、リード式・ストーン式・送風式に細分化されるため、それぞれのタイプを評価します。リード式(リードディフューザー)アロマオイルが入ったボトル(容器)に挿したスティック(リード)経由で気化させるタイプのアロマディフューザーです。経済性デザイン性メンテナンス性香りの拡散力★★★★★★★★★★・経済性自然な形で気化させるのでオイルの減りは遅くなります(オイルが長持ちします)。消耗品のスティックは安価です(目安としては10本で数百円程度)。・デザイン性ボトルにスティックを挿した姿は花瓶のようであり、シンプルなインテリアとして部屋に馴染みやすいです。また、リードディフューザー用の容器についても、デザイン性の高いものが数多く販売されています。・メンテナンス性約1ヶ月で香りの立ち方が弱くなりますので、その際に、スティックを差し替えるだけでOKです。・香りの拡散力自然に気化させるため、香りの拡散力は強くありません(一度に使用するスティックの本数を増やせば、拡散力を強めることは可能です)。<商品例>%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Faromaselect.stores.jp%2Fitems%2F6268a391abc4e66d6502317c%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FIVf79ta%3Fcard%3Dsmall%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E%3Cbr%3Eストーン式(ストーンディフューザー/アロマストーン)天然石・珪藻土・陶器・石膏・木などの素材に精油やアロマオイルを垂らして気化させる形で香りを拡散させるタイプのアロマディフューザーです。経済性デザイン性メンテナンス性香りの拡散力★★★★★★★★★・経済性自然な形で気化させるのでオイルの減りは遅くなります。ストーンは半永久的に使える素材もありますが、オイルの染み込みが悪くなってきたら買い替えの目安と言われています。・デザイン性アロマディフューザーの中で最も素材や形状の種類が豊富です。インテリアショップなどでも取り扱われることの多い商品です。・メンテナンス性半日~数日で香りの立ち方が弱くなるので、その際に、精油やアロマオイルを垂らす必要があります。・香りの拡散力自然に気化させるため、香りの拡散力は強くありません(アロマオイルの垂らす量を増やすことで拡散力を強められます)。<商品例>%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fstore.at-aroma.com%2Fcategory%2FCAT_DIF_NAT%2FDIF_NAT_WOO_RIN.html%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FoIHWwR5%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E%3Cbr%3E送風式(ファン式)オイルパッドに精油やアロマオイルを染み込ませ、気化した香りを風を使って拡散させるタイプのアロマディフューザーです。経済性デザイン性メンテナンス性香りの拡散力★★★★★★★★★★・経済性自然な形で気化させるのでオイルの減りは遅くなります。電気を使うものの、消費電力は数W程度。扇風機の消費電力よりも少ないので経済的です。・デザイン性いわゆる家電製品的なデザインになり、好みが分かれます。・メンテナンス性アロマディフューザー本体を分解して掃除する必要はありません。・香りの拡散力気化式の中では拡散力が強いです。<商品例>%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fstore.belairlab.com%2Fproducts%2Flavarockmini%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2F9iNpBIE%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E%3Cbr%3E噴霧式のアロマディフューザー内蔵のポンプから空気を送ることで発生する空気圧の差によって精油やアロマオイルを吸い上げ、ミスト状にして香りを拡散するタイプのアロマディフューザーです。気化式と同様に、火や水の影響によって香りが変化することがなく、精油本来の香りを気軽に楽しむことができます。噴霧式のアロマディフューザーは、アロマドロップ式やネブライザー式と呼ばれています。経済性デザイン性メンテナンス性香りの拡散力★★★★★★★★★・経済性オイルを原液のまま使うのでオイルの減りが早くなります。アロマディフューザーの中で最もランニングコストがかかります。一方で、電気代の方はほとんどかかりません(消費電力は数W程度)。・デザイン性いわゆる家電製品的なデザインになるため、好みが分かれます。・メンテナンス性月に1度ぐらいの頻度で拭き掃除をすればOKです。・香りの拡散力オイルの原液をポンプの力で力強く拡散させるので、しっかりとした香りを楽しむことができます。また、扇風機やエアコンなどで空気の流れを作った状態で噴霧すると、より拡散力が高めることができます。<商品例>%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20240px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fstore.at-aroma.com%2Fcategory%2FCAT_DIF_NEB%2FCAT_DIF_NEB_ORB.html%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FySY09eL%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E%3Cbr%3E加熱式のアロマディフューザーの特徴受け皿に精油やアロマオイルを垂らした水をセットして、電気やキャンドルの熱で温めて香りを拡散するタイプのアロマディフューザーです。ふんわりと優しく香る特徴があります。経済性デザイン性メンテナンス性香りの拡散力★★★★★★★★・経済性オイルは水に希釈して使用するので経済的です。電気タイプの製品には電気代、キャンドルタイプの製品にはキャンドルの買い換え費用がかかりますが、比較的安価です。・デザイン性比較的豊富で多様なデザインです(特に、陶器の商品には個性的なデザインのものが多く見受けられます)。・メンテナンス性受け皿を清潔な状態にしておく手間がかかります。また、キャンドルを使うタイプの製品の場合は火の取り扱いに気を配る必要もあります。・香りの拡散力ふんわりと優しい香りが広がります。<商品例>%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fwww.nakagawa-masashichi.jp%2Fshop%2Fg%2Fg4547639705150%2F%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2FH8cgFSq%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E%3Cbr%3E超音波式のアロマディフューザー精油を数滴垂らした水を超音波でミスト化して香りを拡散するタイプのアロマディフューザーです。ミストが広がる様子が目に見えるので、視覚的な楽しさもあります。経済性デザイン性メンテナンス性香りの拡散力★★★★★★★★・経済性オイルは水に希釈して使用するので経済的です。電気代もほとんどかかりません。・デザイン性いわゆる家電製品的なデザインになるため、好みが分かれます。・メンテナンス性水を入れるタンクの手入れをこまめにする必要があります(アロマディフューザーの中では最も手間がかかります)。とはいえ、近年はメンテナンス性に優れる商品も登場しています。・香りの拡散力噴霧式には劣りますが、十分に強い拡散力があります。<商品例>%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22height%3A%20140px%3B%20padding-bottom%3A%200%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fmujirushi-ryohin%2F4550344554586%2F%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2F8hNxzlG%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E%3Cbr%3Eアロマディフューザーの選び方アロマディフューザーを選ぶ上で、最もお勧めなのは用途で選ぶことです。例えば、アロマテラピーは初めてで自分に合うかどうか分からない方は、お試し用途に合ったアロマディフューザーを選ぶべきです。そして、その時に重視すべきは「経済性」になるはずです。例えば、いつもアロマの香りに包まれてリラックスして過ごしたいニーズが強ければ、「香りの拡散力」が最重要になると思います。せっかくアロマディフューザーを購入したのに、いまいち香りが感じられないのでは意味がありません。例えば、引越ししたばかりで、これからインテリアを買い揃えようと考えている人がアロマディフューザーの購入を検討する際には「デザイン性」がとても気になると思います。目の前にたくさんの具体的な選択肢がある状況においては、どうしてもそちら(商品)に目が行きがちになり、本来大切にすべき目的を見失ってしまうものですが(買い物あるあるですね…)、いったん立ち止まって、自分がアロマディフューザーに求めること(用途)を具体的に考えてみることをお勧めします。アロマテラピーの勧め今回はアロマディフューザーの種類と選び方についての解説記事をお届けしてまいりましたが、本稿の最後に、アロマテラピーに興味がある方向けに大切なことをお伝えしたいと思います。それは、合成香料ではなく、天然香料を選ぶべきということ。天然香料とは植物から抽出した香り成分である精油(エッセンシャルオイル)です。なぜなら、AEAJ(日本アロマ環境協会|Aroma Environment Association of Japan)が公開している「アロマテラピーの源流と現在の広がり」の内容(下記)にもある通り、植物の香りの力を使うものがアロマテラピーになるからです。“古くからひとびとは、ごく身近にあった植物を薬草として食べたり、塗ったり、香りを嗅いだりして、傷や病気を治すために利用してきました。日本でも、芳香植物は「香薬」と呼ばれ、薬の原料としての役割を担っていました。世界中に広がり、受け継がれた植物療法は、体系化されて現代医学のもとになっていますが、中でも「香りのチカラ」に注目したのが、アロマテラピーの源流です。20世紀初頭に「アロマテラピー」という言葉が登場し、精油やアロマテラピーの研究が進んだ現在では、美容、健康の増進、リラクセーション、スポーツ、介護や医療、予防医学などでも活用されています”参考:アロマテラピーとは|(公社) 日本アロマ環境協会合成香料とは、人工的に化学的手法でつくられた香料です。石油系原料を人工的に合成して作られた合成香料、天然素材から得られるものを原料にして化学合成した半合成香料などがあります。もちろん、合成香料には合成香料の良さがありますが、アロマテラピーという観点においては精油を使う必要があります。精油・精油が使われているアロマオイルの見分け方アロマテラピーには精油を使う必要があることが分かったとしても、今の日本において精油を選ぶことは簡単なことではありません。商品に「精油」という名称が付いていても、それが精油では無い場合があるからです。そこで、アロマテラピーのための精油(や精油が使われているアロマオイル・フラグランスオイル)を購入される際のポイント・見分け方を下記にご紹介します。<精油・精油が使われているアロマオイルの見分け方>価格が安すぎないか?精油は希少性が高いがゆえに高価です。精油の場合は「5mlで数千円以上」、精油を希釈したもの(アロマオイル・フラグランスオイル)であれば「25mlで数千円以上」が目安です。遮光瓶が使われているか?精油は光の影響で品質劣化を起こしやすい性質があるため、遮光瓶を使います。見分け方としては「容器に色が付いていること(茶色が好ましい)」です。商品ラベルの内容が適切か?精油の場合は、商品ラベルに「精油」「エッセンシャルオイル」「Essential Oil」のいずれかの記載があり、かつ、「植物の学名」「抽出部位」「抽出方法」「産地」についての記載があります。※精油を希釈したもの(アロマオイル・フラグランスオイル)の場合は1%でも精油が使われていれば「天然香料使用」と記載できるため、商品ラベルの内容で見分けることはできません。ちょっと見分けが付かない、自分の判断に自身が無い場合は、お店の人に「これは精油ですか?合成香料ですか?(精油が使われているアロマオイル・フラグランスオイルですか?)」と訊いてみることをお勧めします。ちなみに、私たちアロマセレクトの精油は全て国産和精油です。また、ルームフレグランスやボディオイルなどの商品にも国産和精油を使用しています。ご興味がある方はぜひ、オンラインショップをご覧ください。%3Cdiv%20class%3D%22iframely-embed%22%3E%3Cdiv%20class%3D%22iframely-responsive%22%20style%3D%22padding-bottom%3A%2052.5%25%3B%20padding-top%3A%20120px%3B%22%3E%3Ca%20href%3D%22https%3A%2F%2Faromaselect.stores.jp%2F%22%20data-iframely-url%3D%22%2F%2Fiframely.net%2F2NyDHLv%22%3E%3C%2Fa%3E%3C%2Fdiv%3E%3C%2Fdiv%3E%3Cscript%20async%20src%3D%22%2F%2Fiframely.net%2Fembed.js%22%3E%3C%2Fscript%3E%3Cbr%3Eこの記事の著者について福井 千寿子富山県出身。自営業の傍ら、週末に山の手入れを行い、兼業農家であった祖父の背を見て育つ。里山での生活で、自然と共に暮らし、美しい景観を見ながら生活できることに何よりも豊かさを感じている。樹木の持つ心地よい香りと、何千年と生きる種の力強さに魅了され2020年よりアロマセレクトのブランドマネジャーに就任。山と木を愛する以外は全てにおいて平々凡々。