本稿では、森林浴という言葉の意味と森林浴の効果を分かりやすく解説しつつ、森林浴を楽しむためのポイントをご紹介します。森林浴とは森林浴とは、1982年に林野庁により提唱された言葉です。海水浴や日光浴になぞらえて考案された森林浴(Shinrin-yoku)は、海を越え、世界中の国々に広がりを見せています。澄んだ空気、緑溢れる美しい景色、樹木の匂い、落ち葉や土の感触、静けさの中に聞こえる鳥のさえずり。森林浴は人の五感を刺激し、心と体に癒しとリラックスの効果をもたらします。森林浴がもたらすフィトンチッド効果樹木は、害虫から身を守ったり、病原菌の感染を防ぐためにフィトンチッドと呼ばれる揮発性の物質を放出しています。そして、このフィトンチッドの成分に含まれるテルペンの働きが心身のリラックスに作用していると言われています。“クルミの木の下には、ほかの植物はよく育ちません。ヒマワリやオオムギも根から雑草の生育をはばむ物質を出して生長します。そればかりでなく、葉を枯(か)らしたり、幹(みき)を痛める樹病菌(じゅびょうきん)までも殺す力を持つものもあります。このような物質をフィトンチッドと呼びます。植物は一度根を下ろすと、その場所で生き、身を守らなければなりません。そこでフィトンチッドを出し、周りの草を枯らしたり、葉を食べつくす虫を追いやったりしています。フィトンチッドから除草剤や虫よけ、殺虫剤などをつくったり、抗生物質(こうせいぶっしつ)など人間の病気の治療や健康に役立てています。森林浴では、フィトンチッドの正体のテルペンによって気を静める働きもあります”参考:フィトンチッドについておしえてください。|農林水産省森林浴の種類森林散策森林の中を散歩することは森林浴の定番です。散策する場所は森林や自然公園のような場所でなくても構いません。例えば、近隣にある小さな公園の中にある樹木を見て、心地良さを感じることだけも十分な森林浴になります。森林レジャーツリークライミングやアスレチック、エコツアーや自然探索などの森林レジャーは、レジャーを楽しさと森林浴を兼ねるものです。遊びの要素が詰まった森林浴とも言えます。特に、お子さんがいらっしゃる家庭におすすめです。“「子どもを外で思いきり遊ばせてあげたい」「私たち大人も気分転換したいな」生活が目まぐるしく移り変わり、こんなお悩みを抱えていませんか?休日の過ごし方、おでかけ先や遊び場を選ぶのも一苦労ですよね。森林大国の日本には、全国各地に多くの森林があり、そこで楽しめるレジャーが増えてきています。お近くに気軽に行ける場所があるかもしれません。週末、家族で森林のレジャーを楽しんでみるのはいかがでしょうか”参考:自然を見て、感じて体験する!森林レジャー特集|asoview!(アソビュー)森林ボランティア活動森林ボランティア活動は、森林浴を楽しみながら、森のための活動にも貢献できる一石二鳥の森林浴になります。“近年、森林を対象としたボランティア活動への関心が高まっています。そこで、教育関係機関・団体、森林ボランティア団体、地域団体や企業のCSR活動などで、複数年間にわたって森林での活動を実施するための場所や、記念行事等として単発で植樹したり林業を体験する場所として国有林をご利用いただける制度をご紹介します”参考:森林ボランティア活動等へのフィールド提供|近畿中国森林管理局森林ボランティア活動に関する情報提供をするサイトは他にもたくさんあります。ご興味のある方は「森林ボランティア」「森林パトロール」「森林清掃」などのキーワードでGoogle検索をしてみることをお勧めします。アロマテラピー森林に生息する樹木・植物から抽出された精油の香りを楽しむアロマテラピーは、まさに、自宅でできる森林浴です。私たちアロマセレクトでは “Made in 富山” にこだわり、地元・富山県の豊かな森の恵みから丁寧に香りを抽出し、精油を生成しています。よろしければご覧ください。“爽やかな甘味のある香り。主要成分であるリナロールがリラックスや安眠といった作用をもたらします。含まれる成分が非常に多彩なことから、深みのある香りが特徴です”参考:【精油】クロモジ枝葉|AROMA SELECT入浴剤を使う手軽に自宅で森林浴を楽しむ方法としては、森林の香りが表現された入浴剤を使う方法もあります。“日本中の森を訪ね歩き、4種の香りを厳選。(奥深い豊かな森の香り・すがすがしい高原の森の香り・みずみずしい清流の森の香り・おだやかな湖畔の森の香り)気分をときほぐす、至福の森めぐり浴をお楽しみください”参考:バブ 至福の森めぐり 12錠入|花王公式通販【My Kao Mall】森林散策を楽しむためのポイントこれまでご紹介してきた通り、森林浴には様々な方法がありますが、最もおすすめの森林浴と言えば、やはり森林散策です。そこで、本稿の締め括りに、森林散策を楽しむためのポイントをご紹介します。きちんと事前準備をする季節に応じた服装、当日の天候チェック、携行品(雨具やタオル、非常食や飲料水、虫除けや絆創膏など)の準備を怠らないようにしましょう。また、クマやイノシシなどの大型野生動物が出没する可能性がある地域・場所においては、現地の情報収集と遭遇した際の対策も欠かせません。頭の中は空っぽにする時間があれば、何かしらのこと(仕事や生活の中での悩み)について頭の中で考え事をしてしまうのは現代人に多い習性ですが、森林散策の際は、頭の中は空っぽにすることをお勧めします。そうすることで、自然を感じる余裕が生まれます。五感を使う大きく深呼吸して樹木の香りを嗅ぐ。目を閉じて耳を澄ます。樹木や枝葉を注意深く観察する。落ち葉や土の感触を確かめる。そうやって意識的に五感を使うことで、より自然を感じることができます。【写真】木に触れる様子スマートフォンを使わない森林浴で大切なことは、五感を使って自然を感じることである以上、それを妨げることはしないことをおすすめします。普段は肌身離さず持っているスマートフォンも森林浴中はできるだけ使わない方が良いでしょう。それはデジタルデトックス(デジタル依存からの脱却)にも役立ちます。ご案内私たちアロマセレクトは、“Made in 富山”にこだわり、地元・富山県の豊かな森の恵みから丁寧に香りを抽出し、精油を生成しています。美しく豊かな自然を守るため、アロマセレクトでは間伐材を使用した精油を抽出。森を守る木こりさんと共に健やかな森を保つための山の管理にも貢献いたします。次世代へ豊かな自然を残していきたい。たとえ小さな一歩でも、できることから取り組んでまいります。アロマセレクト オンラインショップはこちらこの記事の著者について福井 千寿子富山県出身。自営業の傍ら、週末に山の手入れを行い、兼業農家であった祖父の背を見て育つ。里山での生活で、自然と共に暮らし、美しい景観を見ながら生活できることに何よりも豊かさを感じている。樹木の持つ心地よい香りと、何千年と生きる種の力強さに魅了され2020年よりアロマセレクトのブランドマネジャーに就任。山と木を愛する以外は全てにおいて平々凡々。